なぜ、今、日本でDXが議論されるのか 〜 注62

公開: 2021年5月7日

更新: 2021年5月21日

注62. 相対的貧困

社会の中で、人々が貧しい生活に苦しんでいる状態を把握するために、社会学者や経済学者が考え出した指標に、2つの指標がある。一つは、「絶対的貧困」の指標であり、世界の中で、貧困に苦しんでいる人々を知るための指標である。もう一つが、一つの社会の中において、その社会の中で裕福な暮らしをしている人々と、そうでない人々とを区別するための指標で、「相対的貧困」と呼ばれる。

「絶対的貧困」の尺度で考えると、一人の人間が1日生活するのに費やすことができる費用が、5.5米ドル以下である人々の数は、2020年、世界人口の40パーセント以上であると、世界銀行は推定している。さらに、1日当たり1.9米ドル以下で生活している人々の数は、2020年、世界人口の9パーセントを超えていると推定されている。

「相対的貧困」とは、ある社会における世帯の収入の中央値(最も該当世帯数が多い値)の2分の1の額を貧困線と呼び、その世帯所得を下回る世帯を「相対的貧困にある」と言う。2009年の総務省の全国消費実態調査によると、日本の貧困線は家庭での年収で、135万円ほどであった。また、厚生労働省の2015年の国民生活基礎調査では、貧困線を下回る世帯の率を示す貧困率は、15.6パーセントだった。

相対的貧困率が高い社会では、子供達への教育機会の提供などに問題が生じるため、ある時代の家庭間の格差が、次の世代の格差に影響すると言われている。

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